HDD漁ってたら、神楽坂の隣時代のデータが出てきました。
まぁ凄い今更だけどこの先日の目を見ることもないだろうし、
サンクリ40で出したコピ本の私の担当部分置いときます。

内容は世界樹の迷宮IISS。
一応(覚えてる範囲での)設定としては

素子(もとこ)ブシドー:女
ギルドの紅一点。
魎月に憧れ(惚れ)てる。

魎月(りょうげつ)アルケミスト:男
ちょっと精神年齢高め。
中二設定っぽい性格。

レンジャー:男
最後三人の最初の人。
名前とキャラ設定は忘れた。
たぶんチャラい。

俊也(としや)ソードマン:男
最後三人の真ん中の人。
一応ギルドリーダー。
あまり深くは考えない。

メディック:男
最後三人の最後の人。
名前忘れたその2。
ギルドのまとめ役な優男。
でもマッドサイエンティストだった気がする。

そんな感じ。
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素子さんの憂鬱

「どうしよう……皆に合わせる顔がないよ……」
 素子は町外れにある公園で一人、落ち込んでいた。
 その日は朝から剣技の調子が悪かったのだが、それを言い出せないまま、樹海探索へと行ってしまったのだ。その結果、皆を危険な目に合わせることになってしまった。
「はぁ……皆怒ってるだろうな。」
 自分の落ち度で招いたものは、自分で処理するのが当然の事だと思う。
 しかし、今回の件は結果として、皆に全てを任せることになってしまった。
 しかも、自分は怒られて当然なのに、仲間たちは優しく慰めてくれた。
 素子はそれに耐え切れず、町につくなり逃げ出してしまった。これには皆も呆れ、怒っているに違いない。
 素子がもう一度「はぁ……」と大きな溜め息をつくと、背後から一つの人影が現れた。
 しかし、完全にうつむいてしまっている彼女は、その影には気付かない。
 その人物はつかつかと素子の元へと歩み寄り、その苦悩に満ちた後ろ姿へと声をかけた。
「ため息などついてどうした、素子よ」
「ひゃっ、りょ、魎月さん」
 現れたのは同じギルドのアルケミスト、魎月(りょうげつ)だった。
 完全に自分の中に入っていた素子は、突然現れた魎月に驚き、慌てふためく。
「どどど、どうしてここに?」
「いやなに、君がこっちの方角に歩いて行くのが見えたものでな。沈んだ表情だったから声をかけたのだが……迷惑だったか?」
「い、いえ、全っ然!!」
 彼は自分を心配して、様子を見にきてくれたのだ。嬉しい気持ちはあっても、迷惑だなんて思うはずがない。
 そういう気持ちを表すかのように、素子は首を横に思いっ切り振る。
「そうか、それならよかった」
 魎月はそれを見て、少し苦笑する。
 他人から見るとかなりオーバーなのかもしれないが、なにしろとても嬉しかったのだ。これくらいやってもいいだろう。
 素子が頭の中でそう考えていると、魎月はやり辛そうに口を開いた。
「もしかして、今日の樹海でのことで悩んでいるのか?」 
 いきなり核心を突かれ、素子はシュンとなる。
 そのまま少しの間、話すべきか話さざるべきか悩んだが、もしかしたら話してしまった方が楽かもしれない。
 素子はそう思い、少しずつ、小さな声で話し始めた。
「はい……今日の調子がよくないってのはわかってたんです。でも、皆の『今日こそ次の階層へ行ってやるぜ』とか『早く頂上まで登ってみたいですね』とかいう言葉を聞いていたら、なんだかそれに水を差しちゃいけない気がしてきて……」
「言い出せなくなってしまったというわけか」
「すみません……」
 彼女は申し訳ないという気持ちで一杯になり、さらに小さくなった。
 魎月はそれをいとおしそうに見ながら、会話を進める。
「しかし、それについて皆はあまり気にしてないと思うがな。少なくとも、私はなんとも思っていない。魔物巣喰うあの樹海で、あれくらいの日常をこなせなくて、何故冒険者と呼べよう」
 彼はここでいったん言葉を止め、微笑みながら
「最近では、冒険を始めた頃のような、血沸き心踊る戦闘も少なくなってきたからな。ちょうどいい機会だった」
と、付け加えた。
 そう言われて、素子は少し救われたような気持ちになる。
 自分は深く考えすぎだったのかもしれない。
 でも今となっては、問題はそれだけではない。
「さて、そろそろ戻るとするか。皆が心配している頃合だ。行くぞ」
そんな素子の心を知ってか知らずか、魎月は帰るように、彼女の背中を押した。
しかし、彼女は躊躇うかのように、その場を動かない。
 魎月がどうしたものかと逡巡していると、彼女は呟くように話し始めた。
「皆は許してくれるでしょうか。魎月さんの言うとおり、樹海での私の失敗は何とも思われてないのかもしれません。しかし、私は優しい言葉をかけてくれる仲間から逃げてしまった」
 いつの間にか素子の顔は、最初のような泣きそうなものに戻っている。
 魎月はそれを見てふっと笑い、
「そっちも気にしている者はいないと思うぞ。まぁどうしても気になるのなら、帰ってから皆に謝ればいい。きっと笑って許してくれる」
と言いながら、「ほら、謝りにいくのだろう?」と言わんばかりに素子の背中を押す。
 今度は止まらなかった。
 申し訳なさそうに小さくなってはいたが、その足は一歩ずつ確実に前へと進む。
 そうして五分も歩いていると、宿屋が見えてきた。店先に誰か居る。
 仲間たちだった。
 彼らは素子たちの姿を認めると、楽しそうに声をかけてくる。
「あっきたきた。おかえりー」
「おせーよ。待ちくたびれちまったぜ」
「出かける準備、できていますよ」
 皆はいつもと変わらない。ちゃんと自分を待っていてくれた。
 一度はそのやさしさから逃げてしまったが、今度はきちんと受け止めよう。
 そしてそれに甘えるだけじゃなく、自分もしっかりして、皆から受けたやさしさを還元していこう。
 そのためにはまず、たとえ皆が気にしていなくても、とにかく謝らなくちゃ駄目だ。
 そう決心した素子のすぐ横を、爽やかな風が吹き抜けていった。

2013.01.12 Sat l 書いてみた l COM(0) TB(0) l top ▲

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